村上内科

健康情報Health Information

2026.08.05

便潜血検査が陰性でも安心しきってはいけません




~「異常なし」と「大腸がんがない」は同じではありません~

 

健康診断で便潜血検査を受け、「陰性(異常なし)」と言われると、「大腸がんは大丈夫だった」と安心される方が多いと思います。

もちろん、便潜血検査は大腸がんを早期に見つけるための、とても大切な検査です。

しかし実は、便潜血検査が陰性でも、大腸がんやポリープが見つかることがあります。

そのため、症状がある方はもちろん、症状がなくても大腸カメラを受けた方がよい場合があります。

 

<便潜血検査は何を調べているの?>

便潜血検査は、便の中に血液が混じっていないかを調べる検査です。

大腸がんや大きなポリープは出血することがあるため、その血液を検出して異常を見つけます。

自宅で簡単にでき、体への負担も少ないため、日本では40歳以上を対象とした大腸がん検診として広く行われています。

毎年受けることで、大腸がんによる死亡を減らせることも分かっています。

 

<陰性でも見つからないことがある理由>

便潜血検査は、「がんそのもの」を探している検査ではありません。

出血しているかどうかを調べる検査です。

そのため、

  • 出血していない早期の大腸がん
  • 出血が少ないポリープ
  • たまたま検査の日に出血していなかった病変

は、便潜血検査では見つからないことがあります。

つまり、「陰性=大腸がんが絶対にない」という意味ではないのです。

 

<大腸カメラは「直接見る」検査です>

大腸カメラ(大腸内視鏡検査)は、細いカメラで大腸の中を直接観察する検査です。

実際に粘膜を見ながら調べるため、

  • 早期の大腸がん
  • 小さなポリープ
  • 平らで出血していない病変

なども見つけることができます。

さらに、ポリープが見つかった場合は、その場で切除できることもあります。

つまり、大腸カメラはがんを見つける検査であるだけでなく、がんを予防できる検査でもあります。

 

<こんな方は大腸カメラをおすすめします>

便潜血検査が陰性でも、次のような方は一度大腸カメラを受けることをおすすめします。

  • 血便がある
  • 便秘や下痢が続く
  • 便が細くなった
  • お腹の痛みが続く
  • 貧血を指摘された
  • ご家族に大腸がんや大腸ポリープの方がいる
  • 以前に大腸ポリープを切除したことがある

症状がある場合は、便潜血検査だけでは十分とは言えません。

 

<症状がなくても、一度は大腸カメラを考えてみませんか?>

「症状もないし、毎年便潜血検査も陰性だから大丈夫。」

そう思われる方も多いかもしれません。

しかし、大腸がんは初期にはほとんど症状がなく、出血もしないことがあります。

そのため、便潜血検査だけでは見つけられない早期のがんやポリープが隠れていることがあります。

日本では40歳以上になると、毎年の便潜血検査が勧められています。まずは検診を継続して受けることが大切です。

そのうえで、40歳を過ぎて一度も大腸カメラを受けたことがない方は、症状がなくても一度検査を受けることをおすすめします。

特に、

  • ご家族に大腸がんや大腸ポリープの方がいる
  • 以前に大腸ポリープを切除したことがある
  • 喫煙習慣がある
  • 肥満や糖尿病など生活習慣病がある

といった方は、より積極的に検査を検討するとよいでしょう。

症状がない今だからこそ見つけられる病気があり、大腸カメラはそのための最も精度の高い検査です。

 

<最後に>

便潜血検査は、大腸がん検診としてとても有用な検査です。毎年受けることで、大腸がんによる死亡を減らすことが分かっています。

しかし、「便潜血検査が陰性だから大丈夫」とは言い切れません

特に、症状がある方や大腸がんのリスクが高い方では、便潜血検査が陰性でも大腸カメラが必要になることがあります。

また、症状がない方でも、40歳を過ぎて一度も大腸カメラを受けたことがない場合は、一度検査を受けておくことで安心につながります。

便潜血検査は「見つけるための第一歩」、大腸カメラは「確実に調べ、予防するための検査」です

ご自身の健康を守るために、便潜血検査だけで終わらせず、必要に応じて大腸カメラもぜひご検討ください。

 

当院では随時便潜血検査が可能です。また大腸カメラにつきましては当院副院長(女性医師)が連携病院(済生会和歌山病院、和歌浦中央病院)にて行っています。

ご心配なことがあれば、お気軽にご相談ください。

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